はとりクリニックの医療安全管理指針、院内感染対策指針、医薬品安全仕様のための業務指針 です。 TOPへもどる
1 医療法人社団はとりクリニック 医療安全管理指針 2007.11.30
1 総則
1−1 基本理念
当クリニックは患者が安心して安全な医療を受けられる環境を整え、良質な医療を提供することを通じて地域社会に貢献することを目的とする。この目的を達成するため当クリニックの院長の下で全職員が一丸となって医療安全に対する意識を高めるとともに個人と組織の両面から事故を未然に回避しうる能力を身につけることが必要である。そのためにもこれらの取り組みを明確なものとし当クリニックにおける医療の安全管理と医療事故の徹底を図るためここに、はとりクリニック医療安全管理指針を定める。
1−2 用語の定義
本指針で使用する主な用語は以下のとおりとする。
(1)医療事故
診療の過程において患者に発生した望ましくない事象
医療提供者の過失の有無は問わず、不可抗力と思われる自称も含む
(2)職員
当クリニックに勤務する医師・看護師・事務職員を含む
(3)医療安全推進者
医療安全管理に必要な知識および技能を有する職員であって院長の指名によりクリニック全体の医療安全管理を中心的に担当するものであって、専任・兼任を問わない
2 報告等にもとづく医療に係る安全確保を目的とした改善策
(1)報告にもとづく情報収集
医療事故および事故になりかけた事例を検討し、当クリニックの医療の質の改善と事故の未然防止に対する対策を策定するのに必要な情報を収集するため、職員は以下の要領に従い、医療事故の報告を行うものとする。
@職員からの報告
職員は次のいずれかの該当する状況に遭遇した場合、報告書に定める書面により速やかに報告する。
医療事故の過失有無を問わず、患者に望ましくない事象が発生した場合は発生後直ちに院長に報告する。
A報告された情報の取り扱い
院長は報告をおこなった職員に対してこれを理由として不利益な問い扱いをしてはいけない。
(2)報告にもとづく改善策の検討
院長は前項にもとづいて収集された情報を今後のクリニックの医療の質の改善に資するよう以下の目的に活用する。
@すでに発生した医療事故に事例を検討し、その再発防止策を策定し職員に周知する。
A上記@で策定した事故防止対策が確実に実施され、事故防止、医療の質向上に効果を挙げているかを評価する。
3 安全管理のための指針・マニュアルの作成
院長は本指針の運用後、職員の積極的参加を得て以下に示す具体的なマニュアルを作成し、必要に応じ見直しを図るよう努める。
マニュアルはすべての職員に周知する。
(1)院内感染対策指針
(2)医薬品安全使用マニュアル
4 医療安全管理のための研修
(1)医療安全管理のための研修の実施
院長は1年に2回程度、および必要に応じて職員のための医療安全管理のための研修を実施する。職員は研修が実施される際は極力参加するよう努めなければならない。
研修を実施した場合は開催日時・出席者・研修項目を記録し2年間保管する。
(2)研修の趣旨
研修は医療安全管理の基本的な考え方、事故防止の具体的な手法等を職員に周知徹底することと通じて個々の安全意識の向上を図るとともに当クリニック全体の医療安全を向上させることを目的とする。
(3)研修の方法
研修は院長等の講義・クリニック内での報告会、外部での講習会・研修会または文献等の抄読などの方法で行う。
5 事故発生時の対応
(1)救命措置の最優先
@医療側の過失によるか否かにかかわらず患者に望ましくない事象が生じた場合はまず院長に報告し、院長とともに可能な限り患者の救命と被害の拡大防止に全力を尽くす。
A緊急時に円滑に周辺医療機関の協力が得られるよう、連帯体制を日ごろから確認しておく。
(2)当クリニックとしての対応方針の決定
報告を受けた院長は対応方針の決定に際し、必要に応じて関係者の意見を聞くことができる。
(3)患者・家族・遺族への説明
院長は事故発生後、救命措置の遂行に支障をきたさない限り速やかに事故の状況、現在実施している回復措置、その見通し等について患者本人・家族等に誠意を持って説明する。
6−1本指針の周知
本指針の内容については院長・医療安全推進者等を通じて全職員に周知徹底する。
6−2本指針の見直し、改正
院長はいつ要に応じて本指針の見直しを検討するものとする。
6−3本指針の閲覧
本指針の内容を含め職員は患者との情報の共有に努めるとともに患者・家族からの閲覧の要求があったらこれに応じるものとする。
6−4患者からの相談の対応
病状や治療方針などに関する患者からの相談に対しては担当者を決め誠実に対応し、担当者は必要に応じて院長に報告する。
7
第一版 2007.11.30 作成
2 医療法人社団はとりクリニック院内感染対策指針 2007.11.30
1総則
1−1 基本理念
われわれ医療従事者には患者の安全を確保するための不断の努力がもとめられている。医療関連感染の発生を未然に防止することと、ひとたび発生した感染症が拡大しないように可及的速やかに制圧、終息を図ることは医療機関の義務である。はとりクリニックにおいては、本指針により院内感染対策を行う。
1−2 用語の定義
1)院内感染
病院・医療環境下で感染したすべての感染症を院内感染といい、院内という環境で感染した感染症は院外で発症しても院内感染という。逆に院外(市井)で感染した感染症は院内感染ではなく市井感染という。
2)院内感染の対象者
院内感染の対象者は患者・訪問者・医師・看護師・医療従事者・その他職員、さらには院外関連企業の職員等を含む。
1−3 本指針について
1)策定と変更
本指針は当院長が策定したものである。また職員の積極的参加を得て変更するものであり、変更に際しては最新の科学的根拠に基ずかなければならない。
2)職員への周知と尊守率向上
本指針に記載された各対策は全職員の協力の下に尊守率を高めなければならない。
(1)院長は現場職員が自主的に各対策を実践するよう自覚を持ってケアに当たるよう誘導し現場職員を教育啓発し、自ら進んで実践していけるよう動機付けをする。
(2)就職時初期教育、定期的教育、必要に応じた臨時教育を通して、全職員の幹線対策に関する知識を高め、重要性を自覚するよう導く。
3)本指針の閲覧
職員は患者との情報の共有につとめ、患者、およびその患者の家族から本指針の閲覧を求められたらこれに応じるものとする。
2 院長または院内感染管理者の業務
院長または院長が適任と判断した院内感染管理者が中心となってすべての職員に対して組織的な対応と教育・啓発活動をする。
1)定期的クリニック内監視を行って現場の改善に努力する。
2)院内感染管理者は重要事項を定期的に院長に報告する義務を有する。
3)重要な検討事項、異常な感染症発生時および発生が疑われた場合は院内感染管理者は、その状況および患者/院内感染対象者への対応等を院長へ報告する。
4)異常な感染症が発生した場合は速やかに発生の原因を究明し改善策を立案し、実施するために全職員への周知徹底を図る。
5)職員教育(集団教育・個別教育)の企画遂行を積極的に行う。
3 院内感染にかかわる従業員に対する研修
1)就職時の初期研修は院長あるいは院内感染管理者あるいは知れにかかわる十分な実務経験を有する指導者が行う。
2)継続的研修は年2回程度開く。また必要に応じて臨時の研修を行う。これらは職種横断的に行う。
3)学会・研修会・講習会の開催結果、あるいは施設外研修の酸化実績(開催または受講日時・出席者・研修項目)を記録保存する。
4 感染の発生時の対応・発生状況の報告
報告の義務付けられている病気が特定された場合は速やかに保健所に報告する。
5 院内感染対策推進方策
1 手指衛生
1−1 個この患者のケアー前後に石鹸と流水による手洗いか、アルコール製剤による擦式消毒をおこなう。
1−2 使い捨て手袋を着用してケアーをする場合の前後も石鹸と流水による手洗いか、アルコール製剤による擦式消毒をおこなう。
1−3 目に見える 汚れが付着している場合は必ず流水と石鹸による手洗いをおこなうが、そうでない場合は擦式消毒でもよい。
2 手袋
2−1 血液/体液には直接触れないように作業することが原則である。
血液/体液に触れる可能性の高い作業を行うときは、使い捨て手袋をちゃくようする。
2−2 手袋を着用した安心から汚染した手袋でベット、ドアノブなどに触れないように注意する。
2−3 使い捨て手袋は患者(処置)ごとの交換が原則である。やむを得ず繰り返し使用するときはそのつどアルコール清拭が必要である。
3 医用器具・器材
3−1 滅菌物の保管は汚染が起こらないよう注意する。汚染が認められたときは廃棄または再滅菌する。使用の際は安全保存期間(有効期限)を厳守する。
3−2 滅菌器材・器具を使用する際は見無菌野(滅菌したドレープ上)で滅菌手袋着用の上で取り扱う。
3−3 非無菌野で非滅菌物と滅菌物とを混ぜて使うことは意味がない。
4 リネン類
4−1 共用するリネン類(シーツ・検査着・バスタオル類等)は熱水消毒で再利用する。
4−2 熱水消毒が利用できない場合は次亜塩素酸ナトリウムなどで洗濯前処置をする。
(250ppm(5%次亜塩素酸ナトリウムなら200倍希釈)以上、30℃、5分以上)
5 消化管感染症対策
5−1 糞便―経口の経路を遮断する観点から、手洗いや手指消毒が重要である。
5−2 糞便や吐物で汚染された箇所の消毒が必要である。
5−3 床面当に嘔吐した場合は手袋・マスクを着用して、重ねたテイツシュでふき取り、プラスチックバックに密封する。汚染箇所の消毒は次亜塩素酸ナトリウムを用い平滑な表面であれば、5%溶液の50%希釈を、カーペット等は10倍希釈液(5000ppm)を用い10分間接触させる。表面への影響については、消毒後に設備担当者と相談する。
蒸気クリーナー、蒸気アイロンを使用するのもよい。
5−4 汚染箇所を一般用掃除機で清掃するのは汚染を空気中に飛散させることになるので行わない。(超高性能フィルターで濾過廃棄する病院用清掃用掃除機なら良い)
6 患者の技術的隔離
6−1 空気感染、飛沫感染する感染症では、患者にサージカルマスクを着用してもらう。
6−2 空気感染、飛沫感染する感染症で、隔離の必要がある場合は、移送関係者への感染防止(N95微粒子用マスク着用など)を実施し適切な施設に紹介移送する。
6−3 接触感染する感染症で入院を必要とする場合は、感染局所を安全な方法で被覆して適切な施設に紹介移送する。
7 感染症発生時の対応
7−1 個々の感染症は専門医に相談しつつ治療する。
7−2 感染症の治療に際しては周辺への感染の拡大を防止しつつ、適切に実施する。
7−3 アウトブレーク(集団発生)あるいは異常発生が考えられるときは地域保健所との連絡を密にして対応する。
8 抗菌薬投与時の注意
8−1 対象微生物と対象臓器の組織内濃度を考慮した適正量の投与をおこなう。分離微生物の薬剤感受性検査結果にもとづく抗菌薬選択を行うことが望ましい。
8−2 細菌培養等の検査結果を得る前でも必要な場合は経験的治療を行わなければならない。
8−3 特別な例を除いて、1つの抗菌薬を長期間連続使用することは厳に慎まなければならない。(数日程度が限界の目安)
9 予防接種
9−1 予防接種が可能な感染性疾患に対しては摂取率を高めることが最大の制御策である。
9−2 ワクチン接種によって感染が予防できる疾患(B型肝炎・麻疹・風疹・水痘・流行性耳下腺炎・インフルエンザ)については適切にワクチン接種を行う。
9−3 患者/医療従事者ともに必要なワクチンの接種率を高める工夫をする。
10 医薬品の微生物汚染防止
10−1 血液製剤(ヒトエリスロポエチンの含む)や脂肪乳剤(プロポフォールも含む)の分割使用を行ってはならない。
10−2 整理食塩液や5%ブドウ糖液などの注射剤の分割使用は原則として行ってはならない。もし分割使用するのであれば、冷所保存で24時間までの使用にとどめる。
11
第一版 2007.11.30 作成
3 医療法人社団はとりクリニック医薬品安全使用のための業務手順書 2007.11.30
1 医薬品情報の収集・検討・購入
医薬品の購入にあたっては広く医薬品情報を収集しクリニックの患者の特性にあった医薬品の購入を行う。その際安全性・語投薬防止の観点から次のことに注意をする。
1)類似名称・類似概観・形状の薬品は避ける。やむ得ない場合は職員もわかりやすい識別表をつくり保管場所を明確にする。
2)採用医薬品情報を作成し全職員に情報を提供する。
3)購入した医薬品の品目・規格・数量・購入日・使用期限等は明確にしておく。
2 医薬品の管理と職員への医薬品情報の提供
1)医薬品棚はとり間違えの防止と在庫管理が容易に行えるよう常時適切に配置する。
2)同一医薬品で規格が複数あるものや名称、概観が類似したものを把握し注意を表記する。
3)採用した医薬品の取り扱い・効能・効果・副作用等を確認し職員間での情報の共有化を図る。
4)規制医薬品がある場合は金庫等に保管し常時施錠し盗難・紛失に注意する。
麻薬管理マニアルに従った保管管理を行う。
5)医薬品はそれぞれ保管条件・管理方法・有効期限が異なるので十分に注意し管理は行う。
6)処置薬には開封日・希釈日・開封後の期限等を記載し変質や汚染に注意し定期的に交換をおこない継ぎ足しは行わない。
7)これらの徹底を図るため院内に医薬品保管管理者を設ける。
3 外来患者への医薬品使用にあたって
3−1 患者情報の収集
1)アンケート・問診により事前に既往歴・妊娠・授乳・アレルギー・副作用歴等の確認を行う。
2)他科受診の有無や市販薬・健康飲料・健康食品の摂取状況の確認を行う。
3)嗜好品の確認(タバコ・アルコール等)
3−2患者情報の管理
1)診療録の記載
2)お薬手帳等を活用した薬歴管理
3)職種間における情報の共有
4 処方(患者への十分な説明)
4−1処方箋への必要事項の正確な記載
1)患者氏名・性別・年齢・医薬品名・剤形・規格単位・分量・用法用量等
2)類似名称医薬品に注意し判読しやすい文字で記載する。
3)機械入力時は誤入力に注意する。
4)患者確認の徹底
4−2院内における単位等の記載方法の統一と職員間における情報の共有
1)1日量と1回量
2)mg・ml・cc・g・バイアル等
3)散剤・水薬・注射薬は濃度(%)まで記載する。
4)1V(バイアル)・1U(単位)・iv(静脈注射)など誤りやすい記載は避ける。
4−3患者への服薬指導
1)効能・効果・副作用の指導
2)処方の追加・変更を行う際は服用の仕方・効能・効果まで十分な説明を行う。
3)調剤薬局との連携(疑義照会があった場合は内容を十分に確認し医師の指示にしたがう。その内容・対応は記録する)
4−4処方後の経過観察(副作用発生時の対応)
1)副作用発生時の院内連絡体制
2)救急処置方法の事前習得
3)救急用薬品・器材の配備・管理・所在の確認
4)医療連携・施設間の協力体制
5)夜間・休日を含む相談窓口の体制
5 臨床検査や画像診断・処置における医薬品の使用
5−1事前に患者情報を収集・管理する。
5−2診断薬・前処置薬等の使用
1)緊急時以外は口頭での指示は避ける。
2)口頭で行った場合は指示簿に記載を残す。
3)患者名・医薬品名・単位・数量・使用部位の指示を徹底(復唱・複数人による確認)する。
4)指示者・指示受け者の明確化・確認の徹底を図る。
5−3副作用発生時の対応
1)副作用発生時の院内連絡体制をはかり救急処置方法の事前習得を図る。
2)救急用医薬品・器材の配備・管理・所在の確認を行う。
3)医療連携・施設間の協力体制を整える。
6 在宅患者への医薬品の使用
6−1在宅患者への医薬品を適切に使用するための剤形・用法・調剤方法の選択に留意し在宅患者自身または介護者への服薬指導を徹底する。特に誤飲・副作用発生時の対応については指導を徹底する。
6−2医薬品の使用や処方後の経過観察
1)副作用発生時の緊急連絡先や緊急時の対応体制を、施設間での協力体制を整えておく。
7 その他
1)医師会広報・各メーカーによる医薬品副作用情報をチェックする。
2)本業務手順は必要に応じてまたは定期的に見直しを検討する。
8 第一版 2007.11.30 作成